パナマハットについて

パナマハットができるまで

パナマハットの素材であるトキヤ草は正式名称をCarldovica palamataと呼びます。

パナマハットはそのCarldovica palamataをもとに作られ、Standardから最上級のPileまでいくつかのクオリティに分けられています。

トキヤ草はエクアドルを中心にコロンビアなど、南アメリカの一部の地域でその姿を見ることができ、また観賞用としてヨーロッパやアメリカなどに輸出されることもある植物ですが、そのほとんどの生息がエクアドルであり、発祥の地はエクアドルにあります。

エクアドルが世界に誇るパナマハット:トキヤ草

全体の工程は大きく3つに分かれます。

  • 1. パームと呼ばれる状態から伐採され、編む前の素材の状態になる。
  • 2. モンテクリスティを中心とする海岸線、もしくは海抜2,300メートル近くある高所のまちクエンカ(cuenca)の周辺で織られる
  • 3. モンテクリスティ、もしくはクエンカにてリボン付けなど最終工程が行われる

特に海岸線北部のモンテクリスティやBrisaで作られるものはそのスムーズさから織り生地と見分けが付かないほどのクオリティを誇るものもあります。
また、かぎ針で織るクローシェという手法も古くルネッサンスの時代から続いています。
原材料から加工までを徐々に見ていきましょう。

トキヤ草の加工

1.トキヤ草の収穫
  • トキヤ草
  • チョンゴン-コロンチョ

Cordillera de chongonと呼ばれるチョンゴン-コロンチョの間に横たわる山並みで育てられているトキヤ草は季節に関係なく収穫でき、約2.5~3年で成長します。パナマハットには、葉が開く前の若いトキヤ草が使われます。収穫の際は根元から刈り取られます。
栽培者は土地の所有者に収穫高に応じた地代を支払い、収穫されます。
800m級の山であるチョンゴン-コロンチョという山並みに点在する原住民の人々が最初の加工を担い、生産拠点までのトキヤ草の運送をしています。

エクアドルは作物の成長に大変適している土地です。そのため多くの平地などが食料品の生産に回されており、トキヤ草は他の作物の育てにくい丘陵地などで育てられ、ロバや馬によって村に運ばれます。
トキヤ草は2-3日で傷んでしまうため、束にまとめるとすぐに村に運ばれます。トキヤ草はその葉を扇状に広げることができます。

外側の部分の間に隠された柔らかな葉の部分をパナマハットに使い、それ以外の部分は昔ながらの手法で作られる家の屋根などに使われます。

2.トキヤ草のカット
  • 豊富な魚介類の取れる海が広がる海岸地域
  • トキヤ草のカット

Santa Elenaの周辺に広がる山間部を始めとする、西海岸の多くの村で、山から持ち込まれたトキヤ草が加工されています。村のほとんどの人々がトキヤ草の加工に携わっているため、どの家にも工程こそ違えどトキヤ草が置かれているのを目にすることがでます。
トキヤ草は葉を地面に叩き付けて葉を分かれさせた後、緑の葉を取り除かれます。さらに束ねた状態から爪、もしくは専門の道具で葉の折り返し部分を裂きます。

3.トキヤ草の加工-煮込み~乾燥まで
エクアドルが世界に誇るパナマハット:トキヤ草

約20分間、大きな鍋でかき混ぜながら、裂いて束にしたパナマ草(トキヤ草)を茹であげます。 この際、使うのは水のみで、薬品などはまったく使われません。

茹で上げられたトキヤ草は釜から出され、水切りをされます。

エクアドルが世界に誇るパナマハット:トキヤ草

その後、3~4日間、渡されたロープなどに吊るされ、乾燥させます。
乾燥は屋外の日向と屋内を適度に入れ替えながら干します。
この乾燥も、機械などはまったく使われず、自然の力によってのみ行います。

エクアドルが世界に誇るパナマハット:トキヤ草

乾燥したトキヤ草は、縮み、細く、真っ直ぐでしなやかな形状に変化しています。高品質なトキヤ草は、自然な明るい色と変化しており、それ以外は硫黄を含んだ液体に浸し脱色します。
男性は出来上がったトキヤ草(藁)を振り、織職人へ藁を出荷するために品質ごとに分ける作業を担っています。 人々は出来上がったトキヤ草を同じ海岸線の町ンテクリスティや、約1週間かけて、遠くクエンカまで届けます。

パナマハットの加工

1.パナマハットの加工
さまざまな工程を経て美しいパナマハットは作られる

加工されたパナマ草は、モンテクリスティやクエンカといった各生産拠点に運ばれていきます。 運ばれた先では、熟練の職人や多くの主婦達によって帽子の形に編みこまれていきます。
次からは各地での加工の様子を見て行きたいと思います。

2.パナマハットの編み上げ、色づけ

パナマハットの一大生産拠点-クエンカ。
クエンカ周辺の村や、町の女性たちによってパナマハットは編まれています。多くは主婦の副業ですが、ワークショップと呼ばれるパナマハットの町工場でもパナマハットは編まれています。

編み上げ
女性たちがパナマハットを編む姿は昔から変わらない

湾岸のバルセロナなどの町から運ばれてきたトキヤ草は、クエンカなど高地の町で約1ドルほどで販売されます。それを主婦が買い、さまざまな時間の合間にパナマハットを編んでいるのです。
編み上げられたパナマハットは、パナマハットの価格を守る組合に集められたり、町に集められて、ワークショップへと販売されます。

高地クエンカでは、パナマハットの製造は、はるかインカ帝国時代から変わらず続く日常の一つです。

軽やかな手仕事で形を成していくパナマハット

パナマハットの編みこみの最終工程は男性の力によって力強く行われています。
持ち込まれた半完成品は、熟練のパナマハット職人の手によって、つばの端をきつく編みこまれていきます。全体の編みこみ、つばの最終工程など、それぞれに担当が分かれており、その工程の熟練度をあげることで生産の効率を上げています。パナマハットの縁から出ている余分なトキヤ草は切り落とされます。

着色

ホワイトやレッド、ネイビー、ブラックといったさまざまなカラーのパナマハットを作るため、染色や脱色が行われます。
染色は環境に配備されたドイツ製の染料などを使って行われます。 またホワイトは脱色によって作ります。
この染色の工程は、1色にパナマハットを染め上げるために、編みあがったパナマハットを丸々染める場合と、いくつかのカラーが入り混じったパナマハットを作るために、原料のトキヤ草を染める場合の2種類があります。
染められたトキヤ草は染色されていないものよりも若干硬く、目の細かいパナマハットを作るのには適しません。

女性たちがパナマハットを編む姿は昔から変わらない

全体を編み上げられた完成前のパナマハットをお湯の入った大きな鍋で染色、または脱色をします。
(写真はホワイトのパナマハットを作るために脱色をする様子。)

日にちごとに釜を変えていく

個々のハットによってカラーが変わらないよう、日にちごとに煮込む釜を変えていきます。脱色は硫黄を含んだ液で脱色します。ホワイトを作るには5日間ほど、それ以外の染色を施すものは約2日間ほどかかります。
染色も脱色と同じく、日ごとにタンクを変えて、熱湯の中で着色されていきます。染色には環境に配慮されたドイツ製のパウダーを使っており、6種類のカラーを混ぜ合わせて他の色を作っています。

3.パナマハットの乾燥・整形
屋外の日光で十分に干される

染色・脱色後、太陽の下でパナマハットを乾燥させます。家の屋根や空き地など、街中のさまざまな場所でパナマハットが干されています。パナマハットを干す風景は町では当たり前の日常です。

ハンマーマシン

乾燥したパナマハットを帽子の形を整えていきます。機械を使った整形の方法と、伝統的なハンマーをつかった整形の方法があります。

木槌に代わるハンマーマシンでは、乾燥したパナマハットをたたきながら形を整えます。

昔ながらの木槌と型を使った整形法

伝統的な手法では、帽子の中に木の型をいれ、ハンマーでたたいて形を整えていきます。
数点を重ねてたたき、一度に形を整えていきます。
帽子の中に木の型をいれ、ハンマーでたたいて形を整えていくことで、美しい形に仕上がります。

4.パナマハットを整える・フィニッシィング作業
革と金型の間でプレスすることで形を整える

形を整えられた帽子は、熱せられた金型によって、最終的な形の調整をされます。
パナマハットの形に合わせてさまざまな型が存在します。
専用の機械がない小さな工場では、今でもアイロンと細かな指使いという昔ながらの方法でパナマハットが作られています。

仕上げの工程

最後にベルトやリボン、内側の汗止めなどの装飾品を飾りつけ、完成となります。

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